最近、駅やショッピングモール、商店街などで増えているのが1000円カットの美容室です。カットだけではなく、カラーやパーマなどもしており、理容も美容もしているところなどもあります。ほとんどの場合は予約制ではなく、場合によっては指名制などもないところもあります。ほとんど流れ作業の様な形で施術をしていくので中には1000円カットの美容室は苦手だという人もいるでしょう。ですがその安さから集客はしっかりできているので、そこで働く美容師もの収入も良いのではないでしょうか。
駅や商業施設で出店ラッシュが続いているのが1000円カットです。1000円でカットを行う専門店は1997年にはわずか4店舗しかなかったのですが、今では店舗数は10倍になっています。1000円カットと聞くと男性のカットをするイメージですが、現代では女性も子供も利用しやすい様な店作りがされており、施術メニューもカットだけではなくカラーやパーマなど通常の美容室とほとんど変わりはありません。こういったことからお客様の満足度も高いものとなっており、安価な価格で施術を受けることが出来るのでコストパフォーマンスも優れていると言ってもよいでしょう。
現代の日本では美容業界が縮小していると言われています。ですが1000円カットは逆に拡大しているのです。この理由は高い利益率にあります。
カットの平均相場は4000円程度です。だいたい1時間程度かけることが多いでしょう。1000円カットの場合は10分で終了します。1時間にこなせるカットは6人となり、通常の美容室では1時間で4000円となるのが1000円カットであれば6000円となるのです。カット時間を短くすることで回転率を上げているので利益が出やすくなっています。
1000円でカットが出来るということはそこで働く美容師の給料もとても低いのではないかと思われるのですが、実は1000円カットの美容師の給料は業界内でも最高水準となっているのです。大手1000円カットのチェーン店では給与平均が25万円から45万円となっており、通常の美容師に比べるとやはり高いのではないでしょうか。
新しいお店に就職をしてそれから1年で辞める美容師は全体の50%です。3年目になると80%という驚異の離職率になります。もともと美容師は一つのお店で長く働くことを念頭においていないので離職率の高い職業でもあるのですが、1000円カットの場合は50%だった離職率をなんと12%まで下げたチェーン店もあるほどなのです。中にはシャンプーなしと言った1000円カットもあるので、美容師によくあるシャンプーによる手荒れなどの悩みも解消されて働きやすいと言えるのではないでしょうか。
お客様一人あたりにかけることが出来る時間はカットであれば10分程度です。回転率を重視する1000円カットではお客様とゆっくり会話をする時間はないと言って良いでしょう。美容師として一人のお客様に時間をかけたいと思うのであれば向かないスタイルかもしれません。